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ユーグレナ代表取締役社長 出雲充 × 星野リゾート 星野佳路

今こそ、ミドリムシが地球環境を救う大研究!

出雲充

株式会社ユーグレナ 代表取締役社長 出雲 充(イズモ ミツル)
駒場東邦中・高等学校、東京大学農学部卒業後、2002年東京三菱銀行入行。 2005年株式会社ユーグレナを創業、代表取締役社長就任。同年12月に、世界でも初となる微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養に成功。世界経済フォーラム(ダボス会議)ヤンググローバルリーダー、第一回日本ベンチャー大賞「内閣総理大臣賞」受賞。経団連審議員会副議長。著書に『僕はミドリムシで世界を救うことに決めた。』(小学館新書)、『サステナブルビジネス』(PHP研究所)がある。

プロローグ

ひょんなことから始まった‘ユーグレナ探訪’の視察旅。ユーグレナ代表取締役社長の出雲充氏、星野リゾート代表の星野佳路氏、多忙を極める企業のトップ両氏との旅を経て、お二人の貴重な対談へと結びつきました。その理由とは、今回、旅に同行したホテルジャーナリスト、せきねきょうこが、ある時、星野氏に語ったたったひと言がすべての発端となったからでした。
その時の会話はこうでした。「ホテルの記事を書くにあたり、ホテル自体の環境問題を取材し連載や特集を長年にわたり書き続けています。それにもかかわらず、自身はCO2排出量の多い飛行機で世界中を飛んでいる。何とかならないのか…というのが長年のジレンマなのです」と。
この言葉が、星野氏の高速回転の頭脳にピンと響きました。「もう少し待てば、化石燃料じゃない燃料で飛行機が飛びますよ。今もすでに飛んでる、ユーグレナって知らない?」と星野氏。それを知らずにいた私は、目から鱗でした。
18世紀に始まった産業革命以降、世界中での化石燃料の使用量は増加の一途を辿り、21世紀を迎えた今もなお、温室効果ガス(CO2)の大気中の濃度は限界を超える勢いで増え続けています。様々なことを学べば学ぶほど、そして現実を知れば知るほど、地球温暖化への危機感が募っています。

ユーグレナについて

ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の名前はさすがに聞いたことがありましたが、「ムシ」という名で距離を置いていたことも事実。それが飛行機を飛ばすバイオ燃料の原料の一部となっているとは想像もしませんでした。
今回の「旅の効能」は、「最短に、ベストな方法で、ユーグレナをより確実に知ろう」という配慮による企画でした。そこで、ユーグレナ社の代表取締役社長、出雲氏ご本人から直接にお話を伺おうという、何とも贅沢な、しかし最良の発案で始まったのです。

バイオ燃料製造実証プラントで、見学前に最初の一歩

バイオ燃料製造実証プラントで、見学前に最初の一歩 ‘ユーグレナ’について出雲氏自らの説明。

2021年10月21日、ユーグレナ初心者マークの私や同行者たちは、星野代表と共に、まず神奈川県横浜市鶴見区にあるバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラント(以下、バイオ燃料製造実証プラント)を見学することに。「ユーグレナとは?」という基礎から学ぶ機会を得ました。

同じくバイオ燃料製造実証プラント内会議室にて真面目な勉強会。

同じくバイオ燃料製造実証プラント内会議室にて真面目な勉強会。

続いて、実際にバイオ燃料を製造しているプラントを見学。出雲氏は、日本をバイオ燃料先進国にすることを目標とし『GREEN OIL JAPAN』を宣言していました。実際に、2020年にはバイオディーゼル燃料の供給がスタートし、そして2021年にはバイオジェット燃料を使用したフライトの実現が達成され、宣言通りに進行していることも知りました。

バイオ燃料製造実証プラントの視察。実証プラント工場長の森山宏一郎氏の丁寧な説明に興味津々。

バイオ燃料製造実証プラントの視察。実証プラント工場長の森山宏一郎氏の丁寧な説明に興味津々。

旅の第二ステージとして、私たち一行は沖縄の石垣島へと飛び、「ユーグレナ社の生産技術研究所」を見学。59種類の栄養素を持つスーパーフード「石垣島ユーグレナ」について学びました。

石垣島にあるユーグレナ社の生産技術研究所にて、右から 星野代表、せきね、生産技術研究所長の中野良平氏。星野代表はユーグレナに敬意を表して緑色の装い。

石垣島にあるユーグレナ社の生産技術研究所にて、右から 星野代表、せきね、生産技術研究所長の中野良平氏。星野代表はユーグレナに敬意を表して緑色の装い。

ユーグレナは、植物と動物の両方の性質を持ち、59種もの栄養素を含む、例えばワカメのような、衝撃的な優等生の‘藻’であることを記憶に留めました。
その後、舞台を宿泊地「星のや竹富島」に移し、出雲氏と星野氏のトップ対談が始まります。

「星のや竹富島」の客室棟内、リビングルームで和やかに始まった対談風景。

「星のや竹富島」の客室棟内、リビングルームで和やかに始まった対談風景。

環境に配慮したリゾートホテルや温泉旅館を構築・拡大し観光産業を牽引する星野リゾート代表星野氏、そして、ユーグレナで未来を変えようとするユーグレナ社社長 出雲氏、両氏のユーモア溢れる貴重な対談は、地球規模で未来環境を変えたいと願う両氏の真摯な本音が披露されます。

Vol.1 不思議な生物を学ぶ
ユーグレナ(ミドリムシ)とは何ぞや?

せきね

「ユーグレナとは何ぞや」という、初心者の第一歩を正確に知りたいですね。

星野

まず、ミドリムシというのは虫なのかという、そこからですよ。お願いします。

出雲

そこが一番大事なんですよ。
テレビとか新聞とか雑誌とか、メディアはいろいろあるじゃないですか。私、ラジオが一番楽しくて仕方ないんですよ。

星野

私もラジオに行くと、結構時間が自由じゃないですか、テレビよりね。だからゆっくりしゃべれる。

出雲

ラジオで私、何が楽しいって、もうとにかく聞いている人が「今日はミドリムシの人が来ました」と言われると、それを聴いたタクシーの運転手さんとか、美容院で髪の毛切っているときとかに、「え、今日、何でミドリムシがラジオに来たの?」というところから始まる。みんな間違って想像していて、イモムシとか毛虫が来たというイメージからスタートするので、もうタクシーでも美容院でも、「いや、何かミドリムシがラジオに来るなんて、もう世も末ね」って、言われたりする(笑)。

最初に、そもそも皆さんが思っているのは虫というか昆虫なんですね。私がやっているミドリムシとは海藻なんですよ。水草とか、ワカメなの。みんなが思っているのはイモムシかもしれないけれど、ミドリムシの本当の正体はワカメなんですね。ここでもうみんなズコーッてなって、「えー、知らなかった。ずっとイモムシだと思っていて、もう恥ずかしい」となってくれる。実は海藻なんだと知ってホッとしている人がけっこう多い。その都度、「ああ、よかった。ここで知ってもらえて」と思いますよ。

ミドリムシの話や近い将来の計画などを熱く語る出雲氏。365日、‘ミドリムシ’と同色のネクタイがトレードマーク。

ミドリムシの話や近い将来の計画などを熱く語る出雲氏。365日、‘ミドリムシ’と同色のネクタイがトレードマーク。

星野

だけどイメージ的には海藻という表現は……。微生物的な感じがしたんですけど、私は。

出雲

ああ、なるほどね。そっちの考え方の人はプランクトンとか、植物プランクトンなんですけど、プランクトンというと、ああ、そういうことかと。

星野

動いているし、目に見えないぐらい小さいし。まず、大きさから言うとどのぐらいなんですか?あれは。

出雲

大きさね。0.05~0.1ミリ。

星野

だから海藻というイメージよりも、0.05~0.1ミリの微生物というふうに言った方が、一般の人には分かりやすいかもしれないです。

微細藻類ユーグレナ(和名ミドリムシ)

微細藻類ユーグレナ(和名ミドリムシ)

出雲

なるほどね。

星野

私は最初に出雲さんから聞いた説明が一番わかりやすかった。光合成をしている植物は動かない。だけど、このミドリムシは、光合成をしているのに動いていく。昨日のお話だと、光の方にちょっと動くみたいな。そういう原生生物というような定義がぴったり。

出雲

植物の永遠の悩みって、光のほうに動けないこと。人が間違って日当たり悪いところに植えたら、植物的には悲惨なんですよね。自分で陽当たりのいいところに移動できないから枯れて死んじゃうんですよ。でもミドリムシだけが唯一、お陽ひさまが無いと明るいところに行って光合成ができる。最高の生き物ですよね。

星野

なるほど。だからウニュウニュ動けるけど植物のような生き方なんだ。

出雲

これでもうミドリムシ博士ですよ。(笑)

ミドリムシとの運命的な出逢いは
ガンダム世代が憧れた‘地球連邦軍’がきっかけ?

星野

で、そのミドリムシがすごいことになるという話なんですけど、ミドリムシに目を付けたのは随分前なんですね。

出雲

二十歳の頃です。

星野

そのきっかけを。

出雲

もちろん、何度でも。よく誤解されるんですけど、小学生の時から、ミドリムシ好きの変な子じゃなかったんですよ。(笑声)
高校1年生の時にテレビで見たアニメ『ガンダム』がきっかけなんです。主人公の父親が働いている地球連邦軍を見て、地球連邦軍は現代の国連に似ているなと思い、純粋に「国連はすごいところなんだ」と憧れていました。 その憧れから将来は国連に就職しようと思っていたんです、ずっと、ですよ。で、国連に就職するには、学生時代からインドやアフリカで修行すれば就職しやすいんじゃないかと、色々調べたんですね。そうしたら、バングラデシュが大変だと知ったんです。

星野

それで実際にバングラデシュに行ったんですね?

出雲

大学1年生の夏休み、バングラデシュに行ったんです。すると、現地では栄養失調でみんな困っていましたから、これはいかんと。この国に必要なのは栄養だと。その後、日本に戻ってからずっと栄養の勉強をして、栄養に詳しくなって、日本から栄養満点のものをバングラデシュに持っていこうと決めたんです。

もう一つの理由は、バングラデシュに友達ができて、帰国の際に「いつかまた会おうね」と話すと、「いや、これが多分一生で最後の別れだ。出雲は、世界中で楽しいところが好きになって、バングラデシュのことなんて忘れちゃうだろうし…」と言ったんですね。「日本に来るお金がないんだったら、バイトして貯めればいいじゃん」と言ったら、「私たちはみんなパスポートもない。家が貧しくて、生年月日も適当で、親もそういうのが分からない。パスポートって、出生日を必ず書くじゃないですか。お金がないからじゃなくて、パスポートが取れないから日本に行けない。出雲はバングラデシュみたいな国にはもう二度と来てくれないだろうから、これが最後だ」と。

振り返れば人生の重要な基点となった『ガンダム』の地球連邦軍、国連、バングラデシュなど、子供の頃からの夢や今に至るストーリーを語る出雲氏。

振り返れば人生の重要な基点となった『ガンダム』の地球連邦軍、国連、バングラデシュなど、子供の頃からの夢や今に至るストーリーを語る出雲氏。

星野

なるほどね。適当に誕生日作るしかないですね。

出雲

そうなんですよ、私が18歳の時でした。
そんな話にびっくりして、「絶対来る!」と。でもその時には、栄養満点のものを持ってくるからと思い、栄養の勉強をしたんですよ。まさか、ミドリムシを持っていくなんて思わなかったですね(笑)、自分でも。

星野

なにしろ、出雲さんはすべてが『ガンダム』から始まったんだから。
そこがすごいですよ。やっぱり純粋だったんですよ。

出雲

でも高校生の純朴な時期はみんな、国連とか地球連邦軍しか興味ないですよ。

星野

私なんか純朴じゃないですから。

出雲

で、天邪鬼な少年は、国連とか地球連邦軍じゃなくて、何やっていたんですか?

星野

とんでもないことというか、将来のことを考えているわけじゃないんだけど、目先のあれですよね。学校、先生らをいかにだまそうかとか。

出雲

え、私が国連を考えていたときに、地球連邦のことを考えていたときに、星野さんは学校の先生を騙すことを…。

「全く正反対の思いで学生時代を送っていた!」と星野氏。

ユーモアを交え二人の天才たちの相反する学生時代を振り返る様子。

星野

『ガンダム』見て、俺は国連に行って世界を救うんだみたいな、そんな純朴な人、いないよな。

せきね

本当に!どちらかというと出雲さんの方が稀な存在かも。だからバングラデシュも国連も、ミドリムシとの出会いも、すべては出雲さんの‘運命’だという話を先ほどしたんです。持って生まれた運命。

星野

けど、純朴な人ってあるパーセンテージでいると思うんですよ。突然変異の一つだから。あるパーセンテージでいると思うんだけど、その人がその純朴さを持ち続けてる。今何歳ですか?

出雲

41歳です。

星野

41歳まで維持している方が珍しい。そこだと思いますね。だいたい普通になっていくけど、夢を持ち続けて、こうやっていくというのが凄いと思いますね。

Vol.2 ミドリムシの生体に迫る!

星野

で、ミドリムシだけど、栄養があることを知っているのは、世界では常識なんですね?

出雲

そうです。皆さんはご存じないですけど、農学部の農芸化学で栄養の勉強をしている人はみんな知ってます。

星野

なるほどなるほど。だから培養して人工的に作る、だけど増やすことがとても難しい。

出雲

できないんですよ。栄養価の高さゆえに、培養している間にどこからかバクテリアやプランクトンが来て食べちゃうから。

星野

効率が悪いということですね。

出雲

もうずっとそれを繰り返してきたんですね。研究は、基礎研究と応用研究があり、実際に社会貢献するための社会実装の3段階があるんですけど、ミドリムシはずっと研究止まりで、一般社会にデビューする日は来ないと、みんな思っていましたね。

星野

なるほど。それで研究自体は長く続いたんですか。

出雲

もうずっと!本当に大御所のような先生が延々とやって、相当お金も使って、当時の科学技術庁とか通商産業省から大変なお金をいただいていた。こんなマニアックなことを知っている人は少ないと思うんですけど、「ニューサンシャイン計画」という計画があったんです。 「万が一、オイルショックの後、食料が輸入できなくなったときに、みんなミドリムシを食べて生き延びて、地球温暖化の原因になっているCO2もミドリムシの光合成で削減させて、さらにはミドリムシからバイオ燃料を取り出して、日本の悲願である国産エネルギーを創り出そう」という計画です。真面目に通産省が計画を立てて、研究をして、それで10年経っても20年経っても培養ができなくて、「ミドリムシの屋外大量培養は不可能」と言われていたのです。

星野

この栄養価はすごいから、国家プロジェクトとして進めようという時代があったということですね。

出雲

そうです、そうです。だから知っている人は知っている。

星野

私たちは知らないわけだけど、こんなに栄養価があって、こんなにすごくて、だけど長年国家プロジェクトになっているぐらい大事な話だったのに、なかなか培養できないという。そこがネックになっていたということ。それを出雲さんがブレークスルーするということなんだけど、今回実際にバイオ燃料製造実証プラントや石垣島にあるユーグレナ社の生産技術研究所で学びましたけど、そこには、ユーグレナ社の数々の秘密が隠されていまして。どうやって培養しているかってね。

出雲

私が研究をしたのは5年間ですけど、それは、これまで研究を続けられてきた先人の肩に乗らせていただいてやっただけですから、本当にもうゴール直前でバトンが回ってきて。当時、私と創業メンバーの鈴木の他に、ミドリムシを研究している同世代の若い人はいなかったんです。

星野

簡単に言うと、みんな無理だと思っていたということでしょう?偉い人たちや、これだけ頭脳明晰な人たちがさんざんやって無理なんだと。だけど、出雲さんがそれを引き継いで、無理でもやろうと思っていたのが、例のバングラデシュの話に戻るのですね。

出雲

そう。バングラに私が持っていかなきゃいけないから。諦めている場合じゃないだろうと。

星野

そのとき確信があったんですか?何となくこれいけると。私ならいけるみたいな。

出雲

いや、だって、‘はたち’ですよ。20歳だったら何か、何でもできる気するじゃないですか。

星野

そうかもしれないけどね。で、そこから5年ですね。
ブレークスルーは銭湯の中で思いついたんでしょう?うち(星野リゾート)は風呂屋、温泉旅館だから。(皆に向かって)大浴場の中で思いついたらしいですよ。

出雲

ミドリムシみたいに、液体の中に自分が浸かっているときに思いついたんですね。

星野

それがブレークスルーの秘密なんですよ。

出雲

でも、お風呂に入ったらひらめくというわけじゃないですよ。これも順序があって、頭がちぎれるまで実験して、考えて、実験して、考えて、もうへとへとになって…。 当時、ミドリムシの屋外大量培養について、ミドリムシを研究している日本中の大学や研究所を回って、一人一人に会いに行っていました。お金がないから、日本中夜行バスで移動していたんですね。夜行バスって、大体何か高速道路が空いていると、早く着き過ぎちゃうんですよね。で、大学の先生って9時にならないと大学に来ないので、6時とかに着いちゃったら、時間あるわけですよ。どこに行っても、お風呂に行って時間つぶすしかないんですね。だから私、日本中のバス降りたところのお風呂屋さんは、今でも全部頭に入っています。お風呂に入って、今日その先生とどんな研究の、どんな話しようかなというのを考えているときに思いつくんですよ。

星野

出雲さんは20歳から25歳くらいまでの間に体験しているじゃないですか。一般的には、アスリートも、ミュージシャンも、アーティストも、24,5歳になると、これで食っていけるかな?と、ちょっと不安が出てくるじゃないですか。その頃になると、自分のレベルが分かってくるし、たどり着けるゴールが見えてくる。研究者もずっと結果が出せないままでて、ブレークスルーも見つけられず、不安はなかったですか?

結果がすぐに出なくても諦めずにミドリムシの研究を続けるという‘研究者’マインドに感心する星野氏。「研究魂は次世代にも引き継ぐもの」と出雲氏。

結果がすぐに出なくても諦めずにミドリムシの研究を続けるという‘研究者’マインドに感心する星野氏。「研究魂は次世代にも引き継ぐもの」と出雲氏。

出雲

いや、それは面白いですね。そんなこと考えたことなかったです。
今41歳で、まだ培養方法を思いついていなかったらということですよね。

星野

そうそう。恐らく41歳までそのままやり続ける人ってなかなかいないと思うんですけど。研究者の世界って、たどり着けるかどうかわからないものを必死に研究しているという。

出雲

はい、そうですね。研究と言うのは、自分が生きている時にたどり着けるかどうかはわからないんですよ。みんなそれを分かってやってますから。で、特に魂の記憶じゃないですけど、日本は石油が採れなくて苦労してるじゃないですか。だから日本で科学研究している人で、バイオ燃料に興味がない人はほとんどいないと思います。

星野

次世代にちょっとでも進化させて引き継ごうと。

出雲

研究は一世一代とか、そういう短いスパンでは考えてないんです。私は、たまたまバトンが回ってきたときにデビューが決まったようなもの。だからミドリムシについては、本当に責任重大なんです。

星野

なるほど。今、一つ思いついたんですけど、逆に出雲さんのブレークスルーによって、ミドリムシの研究者が若者の中で増えてきている現象はあるんですか?

出雲

あぁ、そうですね、ミドリムシの研究者…。でも実際に、ミドリムシや藻類の研究者がうちの会社に来ることは多いですね。(笑)

星野

なるほど、そうか。

出雲

アメリカにもいるんですよ、ミドリムシの研究者。ジョン・ベネマン教授とかいい先生がいるんですけど、日本に比べたら遅れていますね。 何でか、分かります?

星野

風呂がないから。(笑)

出雲

ああーっ、惜しい!それも、そう、大浴場がないから(笑)。二つ目が、今日既に星野さんも正解を言っていましたよ。星のや竹富島のプールは、四角いと西洋に見えると。水たまりの丸で、竹富島っぽいプールになったというお話をさっきしてくれたんです。

自然との関り方、文化、発想の違う‘欧米と日本’

出雲

運命ってあると思いますよ。それをミドリムシ的にお話すると、西洋の人というのは、人に対して自然は敵なんですよ。自然というものを細分化して、自然というものを克服するために、人間は神様から特別な使命をもらったと、欧米の人は人間と自然というものを対比して捉えたんですね。ですので、そういう西洋の研究者の感覚でいうと、ミドリムシは微生物じゃないですか。微生物というのは、全部バイ菌なんですよ。そのバイ菌というのは、全部人間がコントロールするものであって、やっつけるもの、殺菌するための‘悪もの’なんです。それを殺す、バイ菌をやっつけるのがいわゆる抗生物質すけど。 で、日本は、自然と自分が一体となっていて、自然の良さを生かして人間が豊かになったらいいよねと、自然に考える。ヨーロッパの人は絶対こう考えないですよ。日本人は善玉菌とか醸造とか発酵については、英語でもfermentationという言葉があるんですけど、発酵の研究者が当たり前のようにいる。欧米には発酵して良くなるよね、なんて思っていない。

星野

そうなんだ、なるほどね…。
長谷川(浩己)さんっているじゃないですか、私らのランドスケープアーキテクト。この風景(竹富島)に合うプールって何なんだろうというときに、図面の段階では、最初デザイン四角だったんです。それがちょっと西洋に見えちゃうんですよね。だからど真ん中に西洋が見えて、琉球らしくないとか、竹富の原風景に合わないとかっていうふうに思い始めて、2人で集落を歩いているときに雨だったんですよ、たまたま。で、舗装していない道が多いから、水たまりがあちこちにいっぱいできて、そこから彼がヒントを得たんです、水たまりから。水たまりって、真ん中辺にちょっと水がだんだんたまっていくんですけど、そのイメージからこのプールができ上がって、やってみたら、本当にいい感じのフィット感で、よかったなと思って。

【星のや竹富島】の敷地内中心に作られた美しいプール。四角形ではなく、円形にすることで竹富島の空気感にもリゾートにもピタリと嵌った存在に。

【星のや竹富島】の敷地内中心に作られた美しいプール。四角形ではなく、円形にすることで竹富島の空気感にもリゾートにもピタリと嵌った存在に。

出雲

それが完全に日本の発想なんですよ。ヨーロッパの人だったら、自然をそのまま生かしたら人間が負けていると考える。だから、コンクリート持ってきて、四角のでかいプールをドンと作る。「ギリシャ時代から人間というのはこうやって、これが一番、俺が格好いいと思ってきたんだ」と。別にどっちがいいとか悪いとかじゃなくて、本当に違うんですよ、考え方が。

星野

やっぱりあれじゃないですか。八百万の神の日本と、向こうは一神教の神、ジーザス・クライストの世界との差かもしれないですね。こういう文化の差が、自然への対し方も違ってきたのかもしれないですね。

出雲

そうなんですよ。

星野

日本ってあちこちに神がいるみたいな考え方になるから、そこで、日本の神の場合は面白くて、飲んだくれている神がいたりする。まあバリ島なんかも逆にそうなんですよね、多神教の世界なので、日本にむしろ近いんじゃないかな。東洋と西洋の差はそういうことかも知れない。出雲さんが言っているのは、西洋的な文化では、ミドリムシのような微生物の研究は進みにくい、こういうことなんですよね。
何となく分かる気がします。

出雲氏が気付かなかった‘ぽっちゃりミドリムシ’がバイオ燃料への道を開いてくれたと対談の‘核心’に迫る。

出雲氏が気付かなかった‘ぽっちゃりミドリムシ’がバイオ燃料への道を開いてくれたと対談の‘核心’に迫る。

‘ぽっちゃり型ミドリムシ’から生まれたバイオ燃料

出雲

そう、核心に迫るバイオ燃料の話をしなきゃいけないので、いいですか。

星野

はい、お願いします。

出雲

私は栄養がバックグラウンドなので、いろんな水たまりからミドリムシを見つけてきて、ミドリムシの身体測定をするんですね。身長、体重測って、ビタミンCやカルシウムなどの各栄養素がどれぐらい入っているか、ミネラルたっぷりかどうか、食物繊維はどうだって調べるじゃないですか。そういうのを日々やっているときに、「お前本当にミドリムシか?」というぐらい、どーんとぽっちゃりしているのがいた。それで、こんなにぽっちゃりしているんだし、ビタミンCが他のミドリムシより100倍入っていたら、これはいいなあと思って、いろいろ身体検査したら、何も入っていないんですよね。
ああ、こいつ本当に駄目だと。でも、実は全部油[脂]だったんです。油[脂]なんか分析してもしようがないので、これはちょっと残念だけど‘控え’ということで、しまっておいたんです。それで、15年前にバイオ燃料をやりたいって、当時の新日本石油(現在のENEOS)の担当の方にミドリムシを絞って油が欲しいと言われて。あのぽっちゃりミドリムシを思い出して「あのミドリムシなら油が多いからいいんじゃないか」と思って渡したら、そのぽっちゃりミドリムシの油は普通の油ではなくとてつもない油だったんです。油の質が違った。

せきね

それがジェット燃料に使われる「油」だったんですか?

出雲

そう。すごいピュアな、これジェット燃料の原料に適している質の良い油だったんですよね。そのときに、「ジェット燃料になるんじゃないの?このミドリムシ」と言われて、私はそのとき栄養の勉強しかしてこなかったので、それこそ軽油と重油の違いも知らなかったんですよ。でも、担当の方ががこれは結構いいぞという話をしてくれたので、じゃ、ちょっとやってみようと。そこからもう急にやる気が出てきて…。

星野

なるほど。そんなきっかけだったんですか。

出雲

そうです。あの時担当の方にに言われなかったら、多分、軽油と重油も知らないぐらいですから。

星野

油がいっぱいのミドリムシ見つけたけど、それがどういうポテンシャルがあるかというのは理解していなかったのが、要望に応えたことをきっかけに、急にそこにチャンスを見出したと。

出雲

そうしたらもう今はヒーローですから、「ぽっちゃりミドリムシ様、すみません!」と言って、一番いい席に座ってもらっています。

ミドリムシは世界中に100種類以上も有ると聞いて、星野氏の興味はそれぞれの役割があるのかと深堀り。

ミドリムシは世界中に100種類以上も有ると聞いて、星野氏の興味はそれぞれの役割があるのかと深堀り。

星野

すごいですね。ミドリムシで全く出番がないと思っていたのが、急に世の中の役に立つものだったという。ちなみにミドリムシって、何種類ぐらいあるんですか?

出雲

私が把握している限りで、多分世界で一番把握していますけど、100種類ぐらいいるんですね。

星野

それはもしかすると、一つ一つが何か違った役割を果たせるかもしれないという、そういうポテンシャルを持っている。

出雲

私本当に反省しているんですけど、ぽっちゃりミドリムシに出会うまでは人に対して「できが悪いな」とか思ったことがあったんです。けど、今、どんなことがあっても、「ちょっと待てよ」と思う。昔、このぽっちゃりミドリムシと出会ったときに、自分はすぐその才能を見抜けなかったと。だから自分の今の尺度だけで何かの良し悪しを決めるのは、それだけは本当に一生やめようと思いました。

星野

なるほど。で、今、石垣島の研究所の方々は、工場でいろんなミドリムシ研究をしていらっしゃるんですね。

出雲

はい。

星野

いろんな、"株"っておっしゃっていましたね。

出雲

はい。そうですね。いろんなシリーズ、株、品種があって、おもしろいんですよ。いろんな種類のミドリムシがいて、さっきのぽっちゃりミドリムシみたいに、このミドリムシはバイオ燃料にいい、このミドリムシはアトピー性皮膚炎とか花粉症とかに良さそうだ、というのがあります。

星野

なるほど。じゃ、どっちかというと、栄養だけじゃなくて、それぞれがどんな特徴があるんだろうかということで新しい分野に。

出雲

そうなんですよ。もういろんな個性を生かしていかなきゃいけないんで。

星野

ちなみに、私が話しちゃいますけど、ミドリムシは推定約5億年生きているという話なので、5億年生きていたら、人間よりもはるかにすごいですよね。それだけ地球上で生き延びてきている。

光合成ができないときも含めて。

出雲

で、普通の植物はみんな動けなくて枯れて死んじゃったんですけど、ミドリムシは「あ、何かこっちにちょっとだけ明かりがある」とか、雲間だってちょっとあるじゃないですか。そういうところに行って光合成して。5億年生き延びたので、ミドリムシに比べたら赤ちゃんみたいな人間が幾ら考えたってしようがないんですよ。 ミドリムシなしで気候変動対策というのは不可能ですよね。

星野

5億年生き残るというのは、ミドリムシは何か生命力があったということなんですね。

せきね

ミドリムシって、人間の中に摂り入れると、今、人生100年時代と言われていますが、これが200年になる可能性もあるということですか?

出雲

200年はちょっとならないんですよ。なぜなら、全ての動物は、心臓の心筋細胞、心臓の拍動する回数というものが決まっていて、それが大体人間で100年から120年なんです。正確には多分、120歳から150歳ぐらいなんですけど、心臓の鼓動の回数を延ばすということは、ちょっと原理的に難しい。

星野

なるほど、なるほど。面白いですね。心筋細胞というのは、確かに勝手に動き続けているから。

出雲

はい。ネズミも象も人間も大体回数一緒なんですよ。不思議ですよね。
もうとにかく、私は当たり前にしたいんですよ。

星野

それは、バイオ燃料を当たり前に使うこと?

出雲

そうです。ミドリムシを使ったバイオ燃料を、皆さんの生活で当たり前にしたいので、飛行機のジェット燃料はできますと。でも、ほかのものは駄目ですというと、ああ、何かミドリムシってちょっと特殊だねってなっちゃうじゃないですか。ですから、もう飛行機もバスもトラックも車も船も、何だったら普通の農作業のときにやる草刈り機も、とにかくミドリムシでできないことが無い状態にしたい。だから全部です、全部。

せきね

それはすごいですね。

Vol.3 バイオ燃料と2025年計画、
さらに星野リゾートとの未来旅も?

星野

今回のユーグレナ探訪は、せきねさんのジレンマ発言から始まったんだけど、ミドリムシがカーボンニュートラルな油を生み出して、それが世界の気候変動対策に深く関わっていくというようなことを知らない人が多いですよね。例えば、カーボンニュートラルな旅、我々はもう海水の淡水化装置、電機は太陽光で、ゴミもゼロエミッションでと、軽井沢から始まった水力発電や温泉の地熱利用などはすでにやってます。
それに、ミドリムシを原料に含むバイオ燃料稼働が諸々できれば、これはもう世界的に見てもモデルケース。ミクロなレベルで達成できれば、広めていけばいいわけですからね。そういう旅をしませんかという告知から始めれば、ものすごく面白いなと。

出雲

そういう旅ってできるんですけど、そういう旅しませんかと言って、「行きたい、行きたい」という人は結構いるんですか?

せきね

います。世界にはたくさんいますよ。

星野

世界を見るとたくさんいます。日本を見たらまだまだですけど。

せきね

旅慣れている方というのは、世界中に頻繁に飛んで、地球温暖化による明らかな気候変動現象も目の当たりにしているはずですから、自然を愛するトラベラー達は、サステナブルな旅を一刻も早く実現したいと考えている、絶対!

星野

せきねさんと同じように、ジレンマを感じながら旅している人は多いです。

出雲

はい。

星野

そこで、昨日ちょっとご提案したんですけど、そういう未来を感じることができるというのは、一つ、旅の中のアクティビティの一つですよと。未来の社会を感じる。だから昨日ちょっとお邪魔させていただいた、ユーグレナ社の生産技術研究所とか、それから竹富にあるクルマエビの養殖場とか、確かにがっちり秘密は守んないといけないんだけど、何か未来を感じさせる…。

竹富島は農地・川がなく農薬や赤土の流入がないことで、日本一きれいな海水で育つというクルマエビ。

竹富島は農地・川がなく農薬や赤土の流入がないことで、日本一きれいな海水で育つというクルマエビ。

出雲

もしくは感じるようにするということですよね。

星野

感じるようにする。だからユーグレナさんはほら、フェリーのターミナルに「ユーグレナ石垣港離島ターミナル」と名前を付けたり、いろいろ石垣の中で溶け込むための策も練っていらっしゃいますけど、私はやっぱり根本は、石垣市民もそうだけど、世界から石垣に旅する人たちにね、ユーグレナ社の生産技術研究所をちょっと差支えない範囲のところを体験してもらって、未来に希望を持てる、そういう何かこう、見学コースができたりするといいんですけどね。

出雲

例えばそんな見学コースを作っても、「私らは素人なので、別にミドリムシの工場なんか見に行かないよ」と言って、誰も見にきてくれなかったら、やっぱりさすがに悲しいじゃないですか。で、何か来てくれるのかどうかがよく分からなくて、本当にやっていいかどうかがまだ分からないですよ。

星野

確実にいますよね。

出雲

例えば、これからは高齢化社会ですし、人の健康を‘キーワード’にすれば間違いないでしょう。アンチエイジングの基礎化粧品だって、元気な高齢女性は興味津々のはず。「星のや 竹富島」の今回特別にご準備いただいたウエルカムドリンクでいただいたユーグレナのノンアルコール・カクテルが美味しくて驚きました。健康をコンセプトにしたホテル滞在こそ、世界中で今後の大きな課題ですよ。

星野

一番ユーグレナ社にとってはインパクトのある体験を、旅の一部として提供できると、会社にとってプラスだと思います。最大の広報。

出雲

場所もありますしね…。

星野

実際に観光と産業が結びついて成長したというのは、例えばフランスのワインなんかそうなんですよ。フランスは世界最大のインバウンド大国ですから。新型コロナウイルス感染症前は、年間、人口6,700万人なのに8,900万人集客しているんですよ、あそこは。それで必ず、パリだけじゃなくて、ボルドーとかブルゴーニュとかってところも、くたくたになるような行程で行かせて、行った先でワインを飲むから、はっきり言って、どんなワインでもおいしく感じるような状態で飲ませるんですよ。〔笑声〕そうするとやっぱり、自分が行ったことがある造り手もみて飲むと、どんな人がどんなふうに作っているかわかってブランドも覚えるし。自国に帰っても買い続けるし。

観光っていうのはただ人に来てもらってお金を落として帰ってもらうだけではなくて、人の意識を変えるのも観光の役割なんですよ。もうちょっと観光と連携することによって、石垣に来た人たちみんながユーグレナのことを知って帰る。これが実は、個人的にはフェリーのターミナルに名前を付けるよりもはるかにでかい広報効果になるんじゃないかと。

「観光の有り方はただその場を訪れるだけではなく、伝統や文化に親しんでもらい、人の意識を変えることも大切」と語る星野氏。

「観光の有り方はただその場を訪れるだけではなく、伝統や文化に親しんでもらい、人の意識を変えることも大切」と語る星野氏。

出雲

なるほど。

バイオ燃料を製造する商業プラント建設の計画に迫る

星野

出雲さんのビジョンを達成するためには、今のバイオ燃料の製造量を何倍にするとおっしゃっていましたっけ?

出雲

2,000倍にします。

星野

2,000倍ですよ、2,000倍。2025年にそのビジョン達成を目指しているんですよね。2025年といったらあと4年後だから、万博の年。世界から人が大阪に飛んでくる。万博の年にもう2,000倍にしようというのは、実現可能なんですか?

バイオ燃料を作り出すために「バイオ燃料を製造する商業プラントを建設の計画」が進行中という出雲氏に興味の尽きない星野氏。

バイオ燃料を作り出すために「バイオ燃料を製造する商業プラントを建設の計画」が進行中という出雲氏に興味の尽きない星野氏。

出雲

やりますよ。

星野

すごいですね。それがすごいと思って。2,000倍だよ。じゃあ2025年までに先日見学したバイオ燃料製造実証プラントと同じものを大きくするんですか?

出雲

今ある同じものを多くしたり大きさを変えるのは誰でもできるじゃないですか。非連続性の成長やイノベーションを起こす必要があるんです。

星野

もうアイデアはあるわけですね。アイデアがあって、それはまだ言えずに。

グローバルな視野で稼働を始めることになる「バイオ燃料の商業プラント」。対談の当事者両氏だけでなく、同行者全員が大きな期待を抱きつつ対談終了へ。

グローバルな視野で稼働を始めることになる「バイオ燃料の商業プラント」。対談の当事者両氏だけでなく、同行者全員が大きな期待を抱きつつ対談終了へ。

せきね

やっぱり、やりますとおっしゃっているからには、もう出雲さんの頭の中にはしっかりと、成功が見えているんですね。

出雲

はい、もう全部できています。ただ、新型コロナウイルス感染症のせいで私が現場に行けないんですよ。

星野

2025年にもうビジョン達成に向かって進んでいると。

出雲

エコツーリズムも完成させますし、その時はまずは石垣・竹富でできたらいいなと思います。その次がバングラデシュですよ。ぜひ見にきてください。やります。

星野

ありがとうございます。

構成・原稿: せきね きょうこ 対談日: 2021年11月2日

編集後記・対談を終えて

「ユーグレナとは何ぞや」で始まったはずの対談は、観光・宿泊業界を牽引する星野氏と、話題のユーグレナ社の社長である出雲氏という両氏の取り組みは、厳しさや努力の中にも、まさに真摯で夢のある、ユーモアに富んだ人柄が見え隠れし興味深いものとなりました。両者ともに目指すは環境負荷の限りなく少ない地球環境、さらに未来の旅と宿の姿、そしてもちろん、健康なライフスタイルです。
世界を見据えた企業人の、ビジネスとプライベートの狭間での対談では、言葉の裏側に多くの可能性を感じることができました。
そして、この3日間で両名の柔軟な思考、俊敏な対応と実行力が透けて見え、こうした発信力に触れた先導者がいてくれる限り、近い将来、日本が観光国+環境国へ、そして世界をリードするバイオ燃料先進国へと変わる未来に希望が持てました。同行した私たちも、これでムシではない‘ユーグレナ’をより理解するスタート台に立てた気がします。

対談を終え緑に包まれるヴィラの庭で緊張のほぐれた様子の3名(右から星野氏、せきね、出雲氏)。

対談を終え緑に包まれるヴィラの庭で緊張のほぐれた様子の3名(右から星野氏、せきね、出雲氏)。

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