何度でもりたくなる名湯

湯めぐり手帖湯めぐり手帖

心や身体をほぐし、豊かな時間を過ごせる
日本の温泉。
星野リゾートには、湯船から望む美しい景色や
心を落ち着かせてくれる香りなど、
五感で愉しめる個性豊かな温泉が数多くございます。
温泉ソムリエのかたあきこさんによる
秋ならではの温泉の楽しみ方もご紹介。

大切な人との距離がぐっと縮まる、
温泉の旅へでかけてみませんか?

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温泉旅のススメ

「温泉に行きたい」「旅に出かけたい」と思う時、二つのサインが出ているように感じます。「疲れた、休みたい、リセットしたい」という静のサインと、「旬の味と季節を楽しみたい、ワクワクしたい」という動のサイン。心身の疲れを癒し、好奇心を刺激し、明日の元気まで与えてくれるもの。それが温泉旅の魅力です。
 旅先でいつも驚くのは、地元の方の肌が綺麗で笑顔が素敵なこと。これはきっと共同湯という社交場で磨かれたもの。温泉が湧く所に人が集まり、宿が立ち、旅人が訪れ、交流が生まれ、相手を思う気持ちが心を豊かに!
 旅は非日常。ふだんとは違う自然環境や旅館の美しい空間で、五感が刺激されたり、ほっとできたり、もてなしに癒されたり。温泉旅に出かけてゆったりとした時間を過ごしましょう。次第に笑顔が増えていくはずです。
「あの温泉旅館に行けば元気になれる」。そう安心できる場所が全国にあると人生がより楽しくなると思います。

のかたあきこ

旅ジャーナリスト。日本の「町・人・温泉・宿」をテーマに29年間、全国を取材。テレビ東京『ソロモン流』で「旅賢人」と紹介される。
宿本『旅美人SPECIAL』編集長。温泉ソムリエアンバサダー、サウナ・スパプロフェッショナル、日本温泉地域学会会員、銭湯検定ほか、入浴関連の資格多数。傾聴スペシャリスト、準サービス介助士、パーソナルリンパケアリスト、生活習慣病予防プランナー。ほかに睡眠健康指導士や日本茶検定1級・日本茶インストラクターを取得し、旅と宿と日本茶とお風呂の素晴らしさを発信中!福岡県出身。 http://nokainu.com

温泉づく秘密

秋を知らせる紅葉。例えば軽井沢のカラマツは黄葉に、嵐山のモミジは紅色に葉を染めながら次の季節を迎える準備をしています。紅葉して落葉するのは木に栄養を蓄えるための冬じたく。
色づきに絡めて、色づく温泉 “にごり湯”を紹介します。
奥入瀬渓流ホテルは硫黄が香るやや白濁した単純温泉。星のや東京は海のミネラルであるヨウ素を含んだ琥珀色の塩化物強塩泉です。
にごり湯といってもほとんどの場合、源泉はほぼ無色透明です。空気に触れることで、鉄分を含むものは酸化して鉄錆色に (代表例:伊香保や有馬)、硫黄成分は乳白色に (代表例:乳頭温泉郷、万座、草津)、メタケイ酸は青磁色 (代表例:別府明礬) になります。また珈琲色のモール温泉 (代表例:十勝川) は太古の植物に由来するフミン酸に色づきの秘密があります。
温泉は地球の贈り物。雨水などが長い年月をかけて地面に浸透する中で、ミネラルを蓄え、やがてマグマであたためられ地上に湧出。だから色や温度や香りは多種多様。その個性が入浴の楽しみになるわけです!

温泉芸術家

青森県奥入瀬渓流ホテルには岡本太郎制作の暖炉がシンボリックに存在しています。高さ8.5mもの暖炉『森の神話』は80歳の時の作品。奥入瀬を愛し、その色彩を「100万色もあるかのよう」と讃えています。静岡県吉奈温泉の御宿さか屋には自身設計の風呂があり、抱かれるような曲線美の湯船は独特の雰囲気を醸し出しています。
作家が愛した温泉宿も全国に点在。兵庫県城崎温泉を一躍有名にした志賀直哉の『城の崎にて』は、療養で訪れた三木屋で執筆した短編小説。川端康成の『雪国』執筆の新潟県越後湯沢温泉高半や、夏目漱石滞在の静岡県修善寺・菊屋、与謝野晶子ゆかりの群馬県法師温泉のほかに、宮沢賢治が過ごした岩手県大沢温泉、版画家・棟方志功ゆかりの岡山県奥津温泉など、心身の疲れを癒す温泉は作り手の創作意欲を刺激したことでしょう。
芸術家ゆかりの宿に泊まった時、作品世界とシンクロするような、はじめてなのに懐かしいデジャブ体験が訪れます。時代を超えて繫がる感動。
旅っていいなと感じる瞬間です。

秋に行きたい温泉宿秋に行きたい温泉宿

秋の夜長の温泉滞在、紅葉の湯町へ!秋の夜長の温泉滞在、紅葉の湯町へ!

暑さがやわらぎ過ごしやすい季節になりました。今年も、紅葉が色づく美しい湯町へ出かけませんか。
秋の味覚はもちろん、伝統工芸や地域文化にもふれられる温泉旅館を紹介します。秋の夜長を五感で楽しむ心豊かな旅!

栃木路で紅葉と民藝三昧の温泉旅

鬼怒川

鬼怒川に面した小高い丘の上に佇む宿。ガラス張りのスロープカーは紅葉を眺める特等席。モミジの中庭を囲むように宿は建ち、露天風呂では錦繍の山々と対面します。泉質は肌に優しいアルカリ性単純温泉。全48室が「とちぎ民藝の間」で、そのうち20室は温泉の露天風呂付きです。

  • 界 鬼怒川
  • 界 鬼怒川

栃木県/
鬼怒川温泉

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寄木と紅葉を愛でる奥湯本の絶景宿

箱根

湯本温泉の須雲川沿いに立ち、全32室や大浴場はリバービュー。半露天風呂の湯船に秋は対岸の紅葉が映り込み幻想的です。ナトリウム-塩化物泉は、よく温まる美肌の湯。地域を紹介する“ご当地楽”のテーマは寄木細工。材料となる木の話から箱根の森が学べるのも魅力です。

  • 界 箱根
  • 界 箱根

神奈川県/
箱根湯本温泉

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日本最古の美肌湯と国宝松江城の秋

玉造

玉造温泉は『出雲国風土記』にも登場する歴史ある温泉です。泉質はナトリウム・カルシウム・硫酸塩・塩化物泉。肌の古い角質を落とし、潤いをもたらす美肌の湯です。全24室に信楽焼か檜の温泉露天風呂が備わります。2015年に国宝に指定された松江城は車で20分。お堀を一周する堀川遊覧船で楽しむ紅葉風景は乙なもの。

  • 界 出雲
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島根県/玉造温泉

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茶処ならではのもてなしと、
ふぐを楽しむ湖畔の宿

遠州

浜名湖畔にたたずみ、全33室がレイクビュー。保温と保湿に優れた温泉は、全国屈指の塩分濃度を誇るナトリウム・カルシウム-塩化物強塩泉。国産ヒバの露天風呂や、石造りの庭園露天風呂で満喫できます。中庭にはツツジと茶の木を交互に配置した「つむぎ茶畑」があります。11月頃にはツツジが紅く染まり、浜松の伝統織物・遠州綿紬のような縦縞が現れます。秋冬限定のふぐを味わい尽くす贅沢な会席「ふぐづくし会席」は10月下旬~楽しめます。

  • 界 遠州
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静岡県/
舘山寺温泉

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のかたのオススメ温泉宿のかたのオススメ温泉宿

界 出雲 身を清め、心を整える「お詣り支度」の温泉旅館 日本海を望む出雲日御碕に2022年11月オープン
界 出雲 身を清め、心を整える「お詣り支度」の温泉旅館 日本海を望む出雲日御碕に2022年11月オープン界 出雲の施設サイトへ

出雲市最西端の日御碕に「界 出雲」は2022年11月16日にオープンしました。出雲大社から西へ車で約20分にある絶景の地。ロビーに映える鉄のアートワークは「日本海に沈む夕日」がテーマ。中世の「たたら製鉄」の伝統技法による素材が使われています。当地は夕日の名所で、古来より「日沈宮(ひしずみのみや)」と呼ばれる日御碕神社があるなど、パワースポットとして知られます。

コンセプトは「灯台と水平線を望むお詣り支度の宿」。全39室が地域色豊かなご当地部屋「彩海の間(さいかいのま)」です。景色で大きく2タイプあり、日御碕灯台を眺める客室は夕日のオレンジ色をより鮮やかに感じられるよう、補色効果のある藍色でリビングを設えます。出雲松島が広がる海側の客室では昇る朝日を眺められ、石州和紙の壁紙で朝焼けをイメージしています。

界 出雲は「出雲ひのみさき温泉」の一軒宿で、泉質は塩分濃度の高いナトリウムー塩化物強塩泉。塩のベールで保温と保湿効果があります。宿では「海をも思わせる塩泉を清めの塩に見立て、神社に詣でる前の“みそぎの湯”としてご利用いただきたい」と、参拝前の入浴を提案しています。海原を望む露天風呂には寝湯もあり、海も星も月も朝日も楽しみながらパワーチャージできます。

夕食は “開運”をイメージした会席料理。秋冬の松葉蟹の特別会席も好評です。蟹のほぐし身を灯台になぞらえた先付けをはじめ、見た目にも華やかな刺し身や香箱蟹のグラタンなど、一品ずつ丁寧に仕上げた蟹会席。朝食は、神様に捧げる神饌(しんせん)をイメージした神饌朝食が人気。神様と同じものをいただき、体を内側から清めることで、より強いご縁が結ばれるそうです。

ご当地楽は「石見神楽」です。雄大な日本海をバックにする「ご当地楽広場」で、出雲大社の起源を描いた神話「国譲り」を、スタッフが華やかな衣装とダイナミックな舞で披露します。広場には石州瓦のベンチが置かれ、湯上がりドリンクとして出雲の銘茶を用意するなど、館内随所で出雲文化にふれられます。

明け方の時間帯「彼は誰時(かわたれどき)」のビュースポットが「かわたれテラス」です。ご来光による空の美しさに癒されるひと時。また徒歩5分には、「日の本の夜を守る、日沈宮」と言われる日御碕神社があります。「夜を守ることは明日の朝につながること。すなわち再生の地」と参拝客は讃えます。神聖な日の光を浴びて、みそぎ温泉でリフレッシュして、出雲の社寺をめぐりましょう。

春夏秋冬、四季のある日本を楽しむ温泉旅。 これからもあなたの「湯めぐり手帖」には素敵なページが続いていくことでしょう!春夏秋冬、四季のある日本を楽しむ温泉旅。 これからもあなたの「湯めぐり手帖」には素敵なページが続いていくことでしょう!

星野リゾート公式サイト