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星野リゾートを支える人たちの手しごと VOLUME 1 界 箱根 寄木細工職人 露木清勝氏&露木清高氏星野リゾートを支える人たちの手しごと VOLUME 1 界 箱根 寄木細工職人 露木清勝氏&露木清高氏

旅の魅力はその地域にあり
全国に展開する星野リゾートの施設の「個性」を担うのは、その土地を象徴するプロフェッショナル、職人さんや生産者さんの存在です。
彼らの仕事や目指すもの、発信力に注目し、日本各地の未知なる旅へとアプローチします。

今、とても新鮮。暮らしの中で息づく「箱根寄木細工」今、とても新鮮。暮らしの中で息づく「箱根寄木細工」

露木清勝さん&露木清高さん

箱根の寄木細工は、江戸時代末期に箱根町畑宿に住む、石川仁兵衛により創作された伝統工芸品。その孫・仁三郎に弟子入りしたのが、露木木工所の初代・露木清吉です。三代目・清勝さんは、伝統を受け継ぎながら、早い時期より生活に根ざす作品を提案してきました。そのバトンを受ける四代目・清高さんも、現代の暮らしに合った親しめる製品づくりに挑戦。父と息子、ともにグローバルな視点も携え、進化する寄木細工を発信しています。

    

素材と文様が織りなす
木工クラフト

箱根の寄木細工は、箱根山中に自生するニガキ、マユミ、ミズキなどから挽いた木地の色や木目の美しさを組み合わせ、「六角麻の葉」「市松」「からみ桝」「菱青海波」などの様々な模様をつくり出し、鉋で薄く削り、手箱や盆などの日用品に貼り合わせて装飾した工芸品。箱根の山が材木の調達地であったことから、箱根、小田原界隈は平安時代から木工が栄えた地。「箱根駅伝」の往路優勝校に、箱根寄木細工のトロフィーが贈られるのも、こうした歴史と伝統の証でもあるのです。

削って削って、あわせて、また削る

江戸時代、東海道を往来する旅人たちの土産物として広く知られるようになった箱根の寄木細工。その代表が、薄く削った経木状の文様を箱ものなどに化粧貼りする「ズクもの」と呼ばれる伝統技法の品です。カンナで削って削って、あわせて、また削る。繊細な文様の基となる部材作りをはじめ、その作業のほとんどが職人による手仕事です。美しい連続模様を作るには、丁寧な部材作りこそが要と、京都で指物の基礎を学んだ清高さんの体には叩き込まれています。「それでも毎回、失敗しないかドキドキです」と笑いながら清高さん。

天然の色を生かし「日用の美」へ

箱根寄木細工で何より驚くのが、ひとつひとつの文様を構成するのが、茶色や黄色、白や緑、黒やグレイなど、すべて自然の木の色だけということです。箱根が国立公園となった現在は、朴の木、桂、ニガキやミズキ、マユミなど全国各地の国産材がメインとなり、自然のパズルのような世界を作り上げます。清高さんは力強い声で「皮を剥がされた木を割ったときの美しさ、それを寄せるとさらに美しくなる。それが寄木細工の魅力であり見せ場です」とおっしゃっていました。

さらに木の個性をより強く感じるのが、部材を寄せた種木をカットしたりロクロ挽きして作る「ムクもの」。「ズクもの」同様歴史あるこの技法に、美しい配色や動きのあるデザインにもこだわった茶椀や酒器、プレートやボウル。モダンな空間にも溶けこむ清高さんの日用の器は、とても新鮮です。

使ってこその良さを実感して

ムクものの器は、シンプルな陶磁器やガラスとの相性も良く、軽くて扱いやすい。経年変化による色合いも楽しみながら、日常の暮らしで気軽にどんどん使ってほしいです。

師匠でもある父から見れば、私はまだまだ未熟者ですが、方向性は常に一緒。時代やライフスタイルの変化を見据えながら、箱根寄木細工の新しいファンを増やすことが大事だと考えています。

寄木細工ができるまで

私の愛用品

鉋(カンナ)

寄木作りの工程で、とても重要な役割をするのが「鉋」。露木清高さんが使い始めて8年ほどになるこのカンナは、模様のパーツとなる部材を作るための一枚刃の手鉋。「機械で削るより微調整がしやすいのが刃物のすぐれたところ。職人にとって道具はとても大切なものですが、特にこの鉋は、代替えのきかない自分の手のように馴染んでいます」。写真の土台の中央の溝に木片をはさみ、鉋で削って整えていきます。

寄木と暮らす滞在を
界 箱根で愉しむ寄木細工の魅力

界 箱根では、人々の生活の一部であった寄木細工を、現在の生活に合ったスタイルで提案し、実際に目で見て触って使っていただき、身近なものとして体感していただけるよう、様々な提案をしております。新進気鋭の露木木工所とコラボした進化する箱根寄木細工と界 箱根の"和心地"が融合したご当地感あふれる滞在をお楽しみください。

ご当地部屋「箱根寄木の間」

露木清勝さん・清高さん親子のご協力を得て実現したご当地部屋です。当館唯一の月見台があり、雄大な湯坂山と清流・須雲川を望む最高のロケーションと、寄木細工の工芸品に触れご自由にお使いいただける特別室「箱根寄木の間(特別室)」と当館随一の眺望を誇る最上階にあり、縞寄木や市松のモダンでカラフルな模様を用いており、洋の空間と和の伝統工芸の調和を体感していただけるお部屋「箱根寄木の間(洋室)」をご用意しております。

ご当地楽「寄木CHAYA」

界 箱根では、毎日夕食後に「寄木CHAYA」がオープンします。
季節のお飲物を、お好みの寄木細工の器でお召しあがりいただけます。
また、21:00からは紙芝居「寄木のひみつ」を開催。寄木の歴史や、作業工程のひみつを楽しく学べます。そのあと21:15頃からは、実際に寄木細工を作る体験をご用意。
思い出に、お土産に、世界に一つだけの「寄木細工のコースター」を作ってみませんか。

パブリックスペース

ロビーラウンジでは寄木細工がギャラリーのように陳列されています。
工芸作家・露木さんの作品を気軽にお手にとってご覧ください。
また、フロント横にある寄木細工の富士山の絵は、3代目清勝さんによる遊び心と高い技術から生まれたものです。木本来の色味が富士山と調和され、木の温もりを感じていただける作品です。

寄木細工の器で味わう「寄木八寸」

特別会席をお召し上がりいただくと、お愉しみいただける「寄木八寸」。
蓋には繊細で華やかな市松模様、側面には料理が引き立つよう
少し柄の大きい落ち着いた色合いの市松模様を使いました。蓋を開けると、海山に近い箱根らしい「海の幸の市松」と「山の幸の市松」を詰めた季節感あふれる八寸。
露木さんと界 箱根のスタッフで完成させたオリジナルの器です。

星野リゾート 界 箱根

日本有数の温泉地・箱根の玄関口、湯本の旧街道沿いにある静寂の宿です。客室は全室リバービュー。風景に溶け込むような感覚に陥る半露天風呂からは、湯坂山と須雲川を眺めることができます。心身を癒した後は、名物の「明治の牛鍋」や、今春誕生した「寄木八寸」に舌鼓を。

http://kai-hakone.jp/